誘拐 1


予定していた上海のマフィアとの会合もつつがなく終了した。ボンゴレファミリーからは、ドンである綱吉とボンゴレの麻薬担当の山本、そして、イタリアマフィア界最強で綱吉の家庭教師(元)であるリボーンが参加し、上海から政財界の闇の皇帝とも言われる、真龍一家の当代のボスとその右腕と呼ばれる趙が参加した。


どちらとも、麻薬の取締りには賛成するマフィアである。綱吉には数度目の中国滞在。だが今回は裏でいろいろ牛耳っているマフィアのボスとして腹の探りあいが続いた会合だった。この会合での失敗は当然許されるものではなく、それ故に綱吉は過度の緊張を強いられたのだが・・・。


そして、会議が終わってから数十分後、用意されたホテルの部屋で綱吉は山本とくつろいでいた。何しろ、綱吉が21で正式にボンゴレを継いで以来、気心の知れた仲間以外が居る場所では、常に主従関係にある2人にとって久々に友人として過ごせる時間だった。

「あ〜ぁ、こんなとこに居ると親父を思い出すよ。」ソファーでくつろいでいると、山本が突然言い出した。
「日本に近いからね、武の親父さんの寿司は好きだったし」それに相槌を打ちながら綱吉も言う。
「もう5年かぁ、俺らが日本を出て・・・。あいつが日本に来てもう10年は経つんだなぁ。」しみじみと武は言う。その言葉にはいろんな言葉がというより想いがこめられている。
それを感じ取って、綱吉は聞いた。
「武、後悔してる?自分の夢絶ったことやこっちが引きづりこんだとはいえマフィアになったこと・・・」
「そうじゃない・・・。俺は後悔してねぇからな。おめぇがきにすることじゃねえよ。むしろありがてぇと思ってる。日本じゃ考えられねぇほど充実してるからな。」そこでいったん話を区切る。

そして、たわいもない話に花を咲かせる。中学時代のあいつらは何やってるんだろうとか、京子ちゃんは今航空会社でキャビンアテンダントをやってるんだってとか・・・。そうして数分後突如として綱吉の携帯が鳴る。着信表示には「Don Tomazo」の文字。「誰?」と聞く山本に綱吉は「ロンシャン」とだけ答える。そして通話ボタンを押した。
「もしもし、どうしたの?ロンシャン」
「もしもし、沢田ちゃん?今どこ?」いつもとは違うあせった声
「上海だけど・・・・。」と答えながら、山本にも聞こえるようにスピーカーホンにする。


「できればけんか売ってるとは思わないで欲しいんだけど、うちの系列の超バカが、沢田ちゃんのお母さんを人質にとって、俺にけんか売ってんのよ。」
綱吉は一瞬はぁ?となった。イタリアのマフィアのどこにいまどき、ドン・ボンゴレの母親を狙おうって言う奴が・・・と思ったが、居たよバカが・・・。

「日本で俺の目を掻い潜って、ヤク売ってたから、制裁の準備してたんだけどね。どうする?」
一応、ボンゴレのトップの母親だし、一般人だからそっちの判断も聞きたいんだけど・・・。と言うロンシャン。潰すのは決定だけど、そっちに火の粉かぶせたのは俺んとこだから。ということなのだろう。

「一緒に潰していい??」そういう、綱吉の声はもう、マフィアのボスとしての冷たさが入っていた。




ついにはじめちゃいました。リボーンです。しかも10年後。今回はツナママ誘拐されるです。これまた長くなりそう.


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